当院のコンセプト 〜予防治療の考え方〜

当院の一般歯科コンセプトである「予防治療」についてご紹介いたします

予防治療とは、<伝播→定着→感染→発症>といった病原体による疾患プロセスの中で“感染前”を治療する、つまり発症を未然に防ぐ治療のことを言います。

 

上記をふまえ、当院では「従来の疾病発見から疾病リスクの発見への転換をする」を基本姿勢とし、
 第1次予防領域として、疾病の予防、健康の啓発と増進
 第2次予防領域では、疾病の早期発見と早期措置により重症化の防止
 第3次予防領域では、疾病の再発防止リハビリテーション
と言った予防医学の「第1次予防」に取り組みます。

 

歯科疾患のプロセスは、虫歯などほんの僅かな歯の実質欠損を見逃す事に始まります(下図)。早期発見・早期処置(case finding)は大切ですが、
さらに重要なのは疾患のリスクを早期に発見(risk finding)することです。

歯の欠損に継発しがちな症候群

歯の欠損に継発しがちな症候群

患者さんではなく歯医者さん自身の病気として28歯シンドローム』という言葉がありました。すなわち、歯科医師は、歯が28本(親知らずは除く)完全に揃っていないと「欠損」という病名を付けて治療の対象とするものだと皮肉ったお話です。

歯の治療は、誰もが嫌いなあの「歯を削る」という処置を伴います。癌の手術でもそうでしたが、「予防拡大」といって虫歯感染部の切削・除去を歯の小さな裂溝に添って予防的に拡大して削去する事が2次齲蝕を防止すると推奨されていました。しかし、削られた健全歯質は二度と元には戻りません
近年では、歯が有する再石灰化能を期待できることから、バイオフィルムの除去やフッ素塗布による初期齲蝕への対処が行われるのが一般的です。「予防拡大」をはじめとする「オーバートリートメント(過剰治療)」は否定されます
当院の基本方針は「MIコンセプト」すなわち「MI:Minimal Intervention 治療最小侵襲」で、“削らない、歯質をできるだけ残す”がモットーです。

彫刻家Carl Fredrik氏の作品.None Violence(スウェーデン,マルメ市美術館)

彫刻家Carl Fredrik氏の作品.None Violence(スウェーデン,マルメ市美術館)

マルメ大学歯学部病院待合室の壁に飾ってあった同作家による歯科版の額.MIコンセプトを訴える

マルメ大学歯学部病院待合室の壁に飾ってあった同作家による歯科版の額.MIコンセプトを訴える